カリフォルニアに本社を置くLambdaTestは、さまざまなプラットフォームでのアプリケーションテストを可能にする企業として知られていますが、このたびAI分野に進出し、「KaneAI」を導入しました。この革新的なソリューションは、ソフトウェアテストと品質保証のエンドツーエンドの体験を直感的に提供します。
現在、LambdaTestプラットフォームの拡張として選定されたパートナーに提供されているKaneAIは、ユーザーが自然言語だけで自動テストを作成、実行、デバッグ、改善できるようにサポートします。これは、従来のコーディングやローコードの複雑さを排除し、テストプロセスを大幅に簡素化する重要なアップグレードです。
LambdaTestの共同創設者兼CEOのアサド・カーンは、「エンジニアリングチームとプロダクトチームは、実際のテストチームが日々直面する課題に対応できる品質工学の限界を押し広げました。このプロセスでは、テストの自動化を再定義するためにAI駆動のテストエージェントを開発しました」と述べています。
KaneAIの期待される効果
2017年の設立以来、LambdaTestはクロスブラウザテストのための統一されたクラウドプラットフォームを提供しており、その結果、品質保証のリーダーとしての地位を確立してきました。ユーザーは、デスクトップとモバイルの両方で、数千のブラウザおよびOS設定に対して自動テストや手動テストを簡単に実施できます。
「クラウドベースのプラットフォームにより、ユーザーは他のインフラよりも70%早くテストを実施できます。これにより、コストが削減されるだけでなく、大規模な品質保証ワークフローの効率、スケーラビリティ、パフォーマンスが向上します」とカーン氏は付け加えました。
LambdaTestの利用が増える中、テスト自動化のための統一されたプラットフォームだけでは不十分であることが明らかになりました。カスタムテストスクリプトの作成やローコードソリューションの複雑さを超え、より直感的なアプローチが求められました。
その結果、KaneAIは生成AIを活用し、ユーザーの手間を最小限に抑えつつ、テストの記述、実行、報告、デバッグをシームレスに行えるエンドツーエンドの自動化を実現しました。
このAIエージェントにより、QAチームは自然言語でテスト手順を入力できます(例:特定の都市でのホテル検索)。手順が実行されると、KaneAIはそれらを分析し、クラウドブラウザで順次実行します。より複雑なタスクには、インタラクティブモードを利用することができ、AIエージェントがユーザーのアクションを記録し、テキストに変換します。
実行が完了すると、生成されたテストケースはLambdaTestのテストマネージャーに統合され、ユーザーは自分の好みの言語やフレームワークで対応するテストコードを生成できます。このコードはHyperExecuteクラウドで実行され、以前の実行データに基づいてテストが効率的に整理・配布されます。さらに、KaneAIはLambdaTestのツールと統合され、自動テストに関する詳細な洞察やレポート、Metaデータ、デバッグ機能を提供します。
KaneAIは、OpenAIのモデルとLambdaTestの独自訓練を活用し、洗練されたテスト体験を実現しています。
「私たちは、プラットフォーム上で実行された数十億のテストデータを活用し、シームレスなエンドツーエンドのテスト機能を作成しています。これにより動的な双方向のテスト作成が可能です」とカーン氏は語りました。
テストプロセスの簡素化
現在、多くの生成AIを活用したコーディングツールが存在しますが、KaneAIは単一のプラットフォーム内で包括的なテスト体験を提供する点で際立っています。
「KaneAIを開発する大きな理由の一つは、既存のツールに統合的なテスト体験が不足していると感じたからです。現在のAI駆動のコード生成能力があっても、テストの全サイクル(CI/CD統合、レポート生成、テスト分析、デバッグ)を管理するには、複数のツールを使いこなさなければならず、重大な複雑さを生み出します」とカーン氏は説明しました。
KaneAIは現在、選定された顧客や業界専門家とのベータテスト中で、今後数ヶ月での一般利用も予定しています。「まだ探求すべきユースケースはたくさんあります。プラットフォームにさらなる統合を積極的に追加し、SlackやMicrosoft Teamsのようなプラットフォームから直接テストを実行できるようにしています」とカーン氏は述べました。この自然言語のアプローチにより、ビジネス関係者もテストプロセスにより深く関与することが可能になります。
これまでに、Nvidia、Vimeo、Microsoft、Rubrikなど、1万以上の組織がLambdaTestを利用し、日々何百万ものテストを実行しています。しかし、BrowserStackやSauce Labs、オープンソースのTestsigmaなどの競争も激しく続いています。