Google Cloud、データベースとデータ分析ツールのための生成AI機能を強化

Google Cloudは、東京で開催されたGoogle Cloud Nextイベントで発表された複数のアップデートを通じて、データベースおよびデータ分析機能を強化しています。この開発は、SpannerおよびBigtableデータベース、ならびにBigQueryデータ分析およびLookerビジネスインテリジェンスプラットフォームに焦点を当てており、主な目的は、データの利用とアクセスの柔軟性を高め、生成AIの導入を促進することです。

主な発表内容

- Spannerがグラフおよびベクターデータサポートを開始

- BigtableがSQLをサポート

- Gemini AIをBigQueryとLookerに統合

「素晴らしいAIは、素晴らしいデータに依存していることを企業は認識しています」と、Google Cloudのデータ分析部門のGM兼VP、ゲリット・カズマイアはメディアブリーフィングで述べました。

Gemini AIによるデータ分析の強化

Googleのデータ分析に関する主要なアップデートは、Gemini AIの機能をBigQueryとLookerに統合することです。この統合により、コード生成、解説、インテリジェントな推奨など、20以上の新機能が導入され、データアナリストの生産性を向上させることを目的としています。BigQueryでは、Geminiが高度なデータ準備と分析を強化し、データから価値を得る時間を短縮します。

「データは複雑です」とカズマイアは指摘しました。「当社の専門的な生成AIモデルの大きな利点は、データを論理的に扱い、顧客がデータをより効率的に整備・管理できるようにする能力です。」

新しいData Canvas機能は、データアナリストにとってのユーザーエクスペリエンスとAIの理想的な融合であり、インタラクティブでAI支援のアプローチを提供します。この機能により、ユーザーはシステムが自分のアクションから学びながら、自らの分析を段階的に形成することができます。

Lookerでは、AIのアップデートがビジネスインテリジェンスインサイトへのアクセスを簡素化することに集中しています。「Lookerにおける当社の革新は、データの選択、分析、要約に精通したカスタマイズされたエージェントの開発に焦点を当てています」とカズマイアは述べました。

Spannerデータベースのマルチモーダル化

Google Spannerは、多くの人にとって馴染みのない存在かもしれませんが、Googleの多くのユーザー製品、例えば検索、Gmail、YouTubeの基盤を支えています。「Spannerは、Googleのスケーラビリティと可用性のニーズに応えるために設計されました」とアンディ・グットマンスは言います。「この革新を企業顧客に提供できることを楽しみにしています。」

注目すべき追加機能は、Spannerにグラフデータベース機能が統合されたことで、データ間の微妙な意味的つながりを扱えるようになりました。また、Spannerはベクターデータのサポートも強化され、これも今年初めに発表されたプレビュー版に続くものです。これらの機能は特に生成AIアプリケーションにおいて重要であり、特にベクターデータのサポートはリトリーバル・オーグメンテーション・ジェネレーション（RAG）に不可欠です。

さまざまなネイティブグラフおよびベクターデータベースが存在する中で、Googleの戦略はマルチモーダルデータベースを提供することです。「顧客は、グラフ機能を利用するためにデータを移行する必要はありません。既存の企業データの上にグラフ機能を構築できます」とグットマンスは説明しました。

このアプローチにより、すでにSpannerを信頼している組織はデータからより大きな価値を引き出すことができます。「私たちはSpannerを主にリレーショナルデータベースから真のマルチモーダルデータベースへと進化させました」とグットマンスは付け加えました。