KinetixとOverdareが革新的な生成AIツールでゲーマーをサポート

Kinetixは、ユーザー生成エモート（UGE）を専門とする生成AIスタートアップで、韓国のパブリッシャーであるKraftonが提供するユーザー生成コンテンツ（UGC）プラットフォームOverdareと提携しました。このコラボレーションにより、ゲームプレイヤーは生成AIの力を利用して、ユニークなゲーム体験を作り出すことができるようになります。

Kinetixの革新的な技術は、Overdareとシームレスに統合され、プレイヤーは動画をダイナミックな3Dアニメーションやエモートに変換できます。プレイヤーは、現在のTikTokトレンドや映画の名シーン、印象に残るゴールセレブレーションを取り入れ、ゲーム内体験を向上させることができます。また、自己録画して、個性を反映したカスタムエモートを生成することも可能です。

このパートナーシップは、従来のカスタマイズを超えてプレイヤーに新たな表現手段を提供し、ユーザーエンゲージメントを大幅に向上させます。UGCは、RobloxやFortniteなどのプラットフォームによってゲーム開発の民主化が進む中、大きなトレンドとなっています。しかし、従来のUGCは主に既存のアセットをリミックスするものであり、創造性に限界がありました。Kinetixは、すべてのゲーマーがAIを使って全く新しいアニメーションを作成できるようにすることで、この状況を打破し、プレイヤーを単なる参加者から積極的なクリエイターへと位置づけています。この転換により、ゲームプラットフォームには革新的なコンテンツが継続的に流入し、コストは最小限に抑えられることが期待されています。

AIツールはさまざまなゲーム開発環境のクリエイターに提供されていますが、プレイヤーがゲーム内で直接生成AI機能にアクセスできるのは初めてです。

KinetixのCEO、ヤシン・タヒはこう述べています。「これは単なる革新的な機能ではなく、ゲームのアプローチを根本から変えるものです。当社の技術は、プレイヤーがエモートを瞬時に生成・カスタマイズできるようにし、ゲームコミュニティ内のパーソナライズとソーシャルインタラクションを向上させます。Overdareのプレイヤーがこれらのツールをどのように活用するかを見るのが楽しみで、今後さらに多くのゲームに展開していく予定です。」

エモートはゲームの不可欠な要素となり、Fortniteや最近のヒット作Helldivers 2を通じて人気を博しています。Kinetixは、さまざまなゲームやアプリに対応するAIエモート技術を3年以上にわたって磨き続けています。

OverdareのCEO、ヒョンチュル・パクは次のように述べています。「Kinetixの動画からエモートへの技術は、プレイヤーの定着率を大幅に向上させ、Overdareエコシステムとのより深い関係を育むと信じています。プレイヤーは記憶に残る瞬間のためにパーソナライズされたエモートを作成でき、全体的なゲーム体験を豊かにします。また、プレイヤーがTikTokやYouTubeなどのソーシャルメディアで自らの作品を共有することで、Overdareの認知度とエンゲージメントが高まることを期待しています。」

現在、OverdareはAndroidでのアルファテストを東南アジアの5つの市場（タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン、インドネシア）で行っており、今年後半にはグローバルローンチを予定しています。

Kinetixは2020年にヤシン・タヒとアンリ・ミランデによって設立され、ゲームにおける自己表現の最前線に立っています。AIを活用してユーザー生成エモートを実現し、プレイヤーが動画コンテンツからゲーム内エモートを作成できる新たな機会を提供しています。パリを拠点とする同社は、1250万ドルのシード資金を確保し、ディープラーニング、3Dアニメーション、ゲーム開発の専門家からなる40人以上の専任チームを有し、Wiredからパリの有力スタートアップとして認識されています。

OverdareはKraftonとNaver Z Corpの共同事業として始まり、Unreal Engine 5（UE5）を利用して開発されています。2023年12月にKraftonから公式にスピンオフしたOverdareは、高品質なゲームコンテンツ作成のためにLuaベースのOverdare Studioを特徴とするクリエイター中心のプラットフォームを立ち上げる準備を進めています。C2E（Create to Earn）モデルを採用したOverdareは、クリエイターが自身の作品をマネタイズできるよう支援し、2024年末までの完全なローンチを目指しています。