Snowflake、ミストラルAIと提携しデータクラウドにオープンLLMを導入

Snowflakeがミストラルとの提携でAI機能を強化

Snowflakeは、2023年6月に欧州最大のシード資金調達を実現したパリ拠点のAIスタートアップ、ミストラルとの複数年にわたるパートナーシップを発表しました。この提携により、ミストラルのオープンな大規模言語モデル(LLM)がSnowflakeのデータクラウドに統合され、顧客はこれらのモデルを利用してLLMアプリケーションの開発が可能になります。さらに、Snowflakeは、投資額は明かされていないものの、コーポレートベンチャーキャピタル部門を通じてミストラルにも投資を行っています。

Snowflakeとミストラルの提携による期待

Snowflakeは設立以来、AIや分析を含むさまざまなアプリケーションをサポートする強力なデータインフラ「データクラウド」の構築に注力してきました。生成AIソリューションの需要に応えるため、SnowflakeはLLMアプリケーション開発専用に設計されたフルマネージドサービス「コルテックス」を立ち上げました。

昨年のSnowdayイベントで導入されたSnowflakeコルテックスは、企業が特定のビジネスニーズに応じたアプリケーションを構築しながら、安全にデータを分析するためのAIリソースを提供します。このサービスでは、Metaの広く使用されているLlama 2モデルを含む、感情分析や翻訳、要約などのタスク用のLLMが最初から提供されていました。

ミストラルとの新たなパートナーシップにより、Snowflakeはコルテックスに高性能なモデルを追加し、注目のMistral Largeモデルを使用することで、その能力を大幅に向上させます。このモデルはGPT-4に次ぐ性能を誇り、Claude 2、Gemini Pro、GPT 3.5を上回ります。さらに、5言語にわたるネイティブ能力と32Kトークンのコンテキストウィンドウを提供します。統合される追加モデルには、Mixtral 8x7BとMistral 7Bも含まれています。

SnowflakeのCEO、スリーダル・ラマスワミは、「ミストラルAIとの提携により、顧客は強力なLLMにアクセスでき、革新的なAI駆動型アプリケーションを容易に創出できるようになります」と述べ、データクラウド内でのセキュリティとプライバシーを維持しつつ、企業がLLMを利用する方法を変革するSnowflakeの取り組みを強調しました。

Snowflakeは投資額や、ミストラルのモデルをテストしている初期顧客の名前を明らかにしていませんが、SnowflakeのAIプロダクト責任者であるバリス・グルテキン氏は、多くのクライアントがMistral Largeを待望していることを指摘しました。また、Googleの新しいGemma 7BオープンモデルもMistral 7Bと共にCortexに追加されることが確認され、顧客に応じたトップパフォーマンスの会話モデルへのアクセスを提供することが目指されています。

「Snowflakeは複雑さを排除し、組織が生成AIの価値を迅速かつ安全に活用できるようにすることに尽力しています」とグルテキン氏は続け、エンジニアリングチームがその他の分野でのLLMの実装方法を模索していることにも言及しました。

ミストラルの成長する業界での地位

Snowflakeとの合意は、ミストラルにとって重要な成果の一つであり、AIセクターでの信頼性の高いプレイヤーとしての役割をさらに確立しました。先週、ミストラルはMicrosoftから1600万ドルの投資を受け、そのモデルはAzureクラウドプラットフォームで利用可能になりました。これにより、ミストラルはオープンAIに続いて、Microsoftのプラットフォームでモデルを提供する二社目となります。

さらに、ミストラルはIBMと提携し、Mistral 8x7BモデルをWatsonXで利用できるようにし、PerplexityとAmazonとも提携していますが、AmazonでのMistralモデルの導入はまだ行われていません。

Mistralパートナーシップを拡大し続ける中で、その影響力がどのように強まり、さまざまな分野でのAIアプリケーションを促進するのかが注目されます。参考までに、データエコシステムにおけるSnowflakeの競合であるDatabricksは、昨年MosaicMLから13億ドルで取得したモデルを含む、生成AIアプリケーションの開発における商業的に価値あるオープンソースの言語モデルを提供しています。

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