サンフランシスコに本拠を置くスタートアップ、Zendataが今週、PayPal Ventures、First-hand Alliance、Geek Ventures、Altari Venturesによる200万ドルのシード資金調達を発表し、姿を現しました。同社は、データのライフサイクル全体にわたるデータセキュリティ、AIガバナンス、プライバシー管理の手法を革新しようとしています。
Zendataは、業界のベテランであるナラヤナ・パップとペドロ・ピナンゴによって設立され、企業がデータ使用に関する包括的な洞察とコントロールを提供するノーコードプラットフォームを提供しています。このプラットフォームにより、企業は情報に基づいた意思決定を行い、進化するデータプライバシーやAIガバナンスの規制に準拠することが可能です。
Zendataのリポジトリスキャナーは、企業のGitHubリポジトリやWebhookを監視し、データリスクを特定する重要な指標を提供します。また、PII(個人識別情報)共有の深刻度評価を行い、企業が潜在的な脆弱性の優先順位を付け、軽減する手助けを行います。
AIとデータプライバシーの革新
CEOのナラヤナ・パップは、Zendataのプラットフォームの核心的原則について次のように述べています。「我々のアプローチは、情報の使い方(コンテキスト)、共有先(データフロー)、内部ポリシーとの整合性(意識)の三つの重要な側面に対処しています。Zendataは、クライアントサイド、アプリケーション、およびモデル層を通じてこれらの課題に効果的に取り組んでいます。」
このプラットフォームは、組織が第三者との過剰共有を検出し、モデル作成のためのデータを検証し、データの安全な送信と記録を保証することで、敏感なデータを保護しリスクを軽減します。
プライバシーポリシー分析ツールは、法律関連の自然言語処理(Legal NLP)を利用して収集した情報とその目的を特定し、プライバシー慣行の潜在的なギャップに関する洞察を提供し、プライバシーポリシー複雑度スコアを発表します。
シームレスな実装と遵守
Zendataのノーコードソリューションは、迅速な実装を可能にし、アクセスを民主化し、継続的なコンプライアンスを維持し、スケーラビリティと集中管理を実現します。「データリスク管理プログラムの実装には通常6〜8か月かかりますが、Zendataのプラットフォームを利用すれば企業は新たな規制に迅速に対応でき、エンジニアリソースへの依存を減らし、データリスクを効果的に管理できます」とパップは語っています。
スタートアップは、グローバル企業の公開データを確保し、AIモデルに関連するプライバシーリスクを管理することで早期の顧客成功を収めています。また、同プラットフォームは、トップソフトウェアレビューサイトG2でも高評価を受けています。
AI導入におけるエンジニアリングとポリシーの架け橋
CIO、CISO、CDOの役割がAI時代において収束していく中、Zendataはデータ創出者(エンジニアリング)とデータ管理者(ポリシー)を結びつけることを目指しています。今回の資金調達は、プラットフォームの是正機能の向上や、ガバナンス、リスク、コンプライアンス(GRC)ソリューションとの統合を促進します。
さらに、Zendataは、以前にDatabricksなどの企業を支援したRace Capitalの選抜プログラム「Topline」に参加しており、新たな成長機会や将来の資金調達の道を切り拓くことが期待されています。
データ侵害が増加し、サイバー犯罪者がシステムの脆弱性を悪用する中、Zendataのソリューションは、効果的なAIとデータリスク管理の需要に応えるための理想的なポジションにあります。透明性かつ公正な消費者データの慣行を推進するビジョンを持つZendataは、データ信頼の良循環を確立することを目指しています。