AIを活用した脆弱性リメディエーションへの投資
ニューヨークを拠点とするAIサイバーセキュリティスタートアップ、Vicariusは、SiriーズBの資金調達ラウンドで3,000万ドルを調達し、総資金は5,600万ドルに達しました。このラウンドはBright Pixel Capitalが主導し、AllegisCyber Capital、AlleyCorp、Straitが参加しました。この新しい資金は、AI技術によって強化されたVicariusの自動脆弱性管理機能を向上させることを目的としています。
Vicariusは、AIを駆使して脆弱性の発見、優先順位付け、修正を自動化するvRxプラットフォームで脆弱性管理市場に革命をもたらすことを目指しています。同社は、PepsiCo、Hewlett Packard Enterprise、Equinixなどのフォーチュン500企業を含む400社以上の顧客にサービスを提供しています。また、研究者が脆弱性管理スクリプトを提供する活発なコミュニティ「vSociety」も運営しています。
2023年の夏、Vicariusは生成AIを活用したvulnGPTツールをリリースし、個人や組織がソフトウェアの脆弱性を特定し修正する手助けをしています。その後、vulnGPTは大幅な改良が進んでいます。
セキュリティ自動化の進展: vuln_GPT
vuln_GPTは、脆弱性管理に特化した大規模言語モデル(LLM)技術を活用しています。ユーザーは自然言語の質問を入力するだけで、修正スクリプトを生成できるように、Vicariusの膨大な知識ベースに基づいてLLMが調整されています。
CEOのマイケル・アスラフ氏は、このツールが絶えずアップデートされており、生成スクリプトの精度向上が特に進んでいると述べています。新しい検証ステップにより、悪意のないスクリプトのみがVicariusの商業提供に組み込まれることが保証されています。
vuln_GPTの対象範囲は、当初のMicrosoft Windowsシステムに加え、LinuxおよびmacOSの脆弱性にも拡大しました。さらに、脆弱性検出のためのスクリプト生成にも進化しており、ユーザーの利便性が向上しています。
今後の展望: AI駆動のコンプライアンス
2024年に向けて、Vicariusは新しい資金を活用し、市場での存在感を高め、サービス提供を拡大する計画です。注目の新ツールは、x_complyというAI駆動のコンプライアンスおよびベンチマークツールです。
アスラフ氏は、「さまざまなコンプライアンス文書とスクリプトを統合し、効率的なプロセスにまとめるための一貫した言語システムを開発しています。私たちの目標は、顧客がコンプライアンスの不一致を簡単に特定し修正できるよう支援することです。」と語っています。