新年のご挨拶
株式会社スクウェア・エニックスの代表取締役社長である桐生隆氏から新年のメッセージが届きました。今年のビジョンでは、劇的な変化を発表することはありませんでしたが、核となるゲーム事業への投資を継続し、映画、テレビ、拡張現実(XR)、人工知能(AI)などの新たな機会を探求する意向が示されました。
日本の主要なAAAゲーム開発企業として、スクウェア・エニックスは例年、新年のメッセージに戦略的な方向性を示します。これは、2023年6月に社長に就任した桐生氏にとって初めてのメッセージです。
桐生氏は、COVID-19パンデミックから世界が回復する中で、地政学的緊張やインフレがデジタルエンターテイメントの風景に不確実性を生んでいることを認めました。2023年にはXR技術の進展が見られ、物理的な世界と仮想の世界をこれまでにない形で統合する可能性が高まっています。
「生成的AIはテキストに限りません。画像、映像、音楽を含むさまざまな分野で新しいツールが急速に導入されていることは、デジタルエンターテイメントにおけるその変革的な潜在能力を示しています。」と桐生氏は述べています。彼は、生成的AIが創造するコンテンツだけでなく、その創造プロセスを根本的に変える可能性を信じています。
桐生氏は、スクウェア・エニックスのデジタルエンターテイメント部門を強化するため、コンテンツ開発と出版能力の向上に向けた計画を示しました。これには、クラシックフランチャイズの復活や内部制作への投資を増やし、開発チームとファンのインサイトをつなぐより協調的な環境の構築を目指しています。
また、スクウェア・エニックスのコミックやアミューズメント事業が、様々なメディアにおけるフランチャイズの認知度を高める上で成功を収めていることを強調しました。「これらのアプローチは、映画やアニメーションの適応を含む我々の知的財産を活用する多面的な方法を強化します。」と桐生氏は述べています。
スクウェア・エニックスは以前から、ブロックチェーンエンターテイメント、Web 3.0、AI、クラウド技術への投資を約束しています。桐生氏は、進化する市場に対応するために収益源の多様化が重要であると強調しました。
「2024年は、成長と革新を追求する当グループの新たな始まりとなるでしょう。」と彼は宣言しました。「包括的なコーポレート戦略を策定し、挑戦者の心構えで我々の取り組みを実行に移します。」
桐生氏は、新年の繁栄を願って、スクウェア・エニックスの未来に対する楽観的なトーンで締めくくりました。
全文:
明けましておめでとうございます!
2023年は、パンデミックからの大きな回復を遂げた年でした。しかし、地政学的リスクやインフレも増し、「新常態」を確立するための変化が求められました。
デジタルエンターテイメントの進化する風景では、バーチャルとリアルを融合させる革新的なサービスを目の当たりにしました。例えば、建築業界がプロセスを向上させるためにXR技術を採用し、デジタルコンテンツの体験価値を高める広がりを反映しています。
また、AI、特にChatGPTの導入は、コンテンツ制作との関わり方を根本的に変革し、テキスト以外の画像、映像、音楽の分野にもその応用を広げています。この技術が私たちの創造的なプロセスを再定義することになると信じています。
20周年を迎えるスクウェア・エニックスは、新たな章を切り開こうとしています。社長として、私はステークホルダーからの意見を集め、成長の方向性を見定め、未来の成功に向けての基盤を築いています。
コンテンツ開発と出版能力の強化に注力することが最も重要です。リソースの最適化と内部効率の向上を図り、顧客の期待により良く応えることを目指します。
さらに、マーケティングのグローバルな連携を強化し、新作タイトルの販売を最大化するだけでなく、豊富なバックカタログの活用を通じて、グローバルなファンベースを拡大していきます。
チーム間の密な協力を促進する組織構造により、製品主導と市場主導のアプローチを両立させ、真に喜ばれるコンテンツを提供できるようになります。
AIや新興技術を統合することで、開発生産性を高め、マーケティングの洗練を図り、最終的には革新的な消費者体験を創造します。
出版事業やアミューズメント事業は、ブランドの認知度を高め、デジタルエンターテイメントに対する重要なシナジーを提供する多様なコンテンツを展開し、我々のリーチを広げます。
2023年には、満足度の高い顧客体験を創造し、コンテンツ配信能力を拡大するためにグループを統一する取り組みを進めました。2024年は、さらなる進化と成長の出発点となるでしょう。
私たちは、壮大なコーポレート戦略を確立し、ビジョンを実現するために前進を続けます。共に変化と革新を受け入れ、ビジネスを進めていきましょう。
皆さまにとって、豊かな新年でありますように!
桐生 隆
代表取締役社長
株式会社スクウェア・エニックス・ホールディングス